京都・三条通社会実験2021

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11月6-7日に、まちづくり社会実験「三条通で遊んでみよし」が開催されました。これまで長くまちづくりをされてきた京の三条まちづくり協議会のみなさん、そこに新たに加わった30-40代の若手推進会議メンバーのみなさん、官民連携まちなか再生事業の事務局を支援し本実験全体のコーディネートと技術的支援をされたCFK、京都大学景観設計学研究室をはじめ、多くの関係者ひとりひとりの力を合わせて行われた社会実験でした。

これまで協議会を中心に無電柱化を契機とした道のありかたが議論されてきましたが、今回の社会実験の趣旨は、これまで議論した将来のイメージやシーンを実際にやってみてみよう、そしてみんなに体験してもらおう、そしてそれを継続的に実現する仕組みを考えよう、というものでした。

「新たな日常」をつくるための多くの実験的要素(検証材料)が盛り込まれています。たとえば、

①歩きやすさ・快適性向上のため、交通管理者・道路管理者と協力して、通りの一部を時間を限り車両通行止めにして、通過交通を減らすこと。
②昨年のリサーチで浮かび上がった、商店街でないゆえに、お商売をしていてもお互いに知らない、横のつながりが弱い、という課題に対して、まちの人をつなげる仕掛け(話し合い、ワークショップの開催、実験による広報)をつくること。
③潜在的な地域の文化資源、人的資源を発掘し、それに気づいてもらう仕掛けをし、地域内外の新たな出会い・交流を促進すること。
④通り過ぎるだけの道ではなく、ゆっくり歩いたり立ち止まったりして、歴史的町並みを眺め、それが醸し出す歴史・文化を味わう機会をつくり、価値の共有を促すこと。
⑤年輩の方の原風景でもある昔の道遊びを再現するとともに、まちなかの子どもの遊び場をつくってみて、道の使い方の可能性を探ること。
⑥民有地・公有地問わず、場所をみんなで使うという取り組みを実現すること(新たなコモンズ構築の試行)
⑦社会実験を継続して取り組める持続的な実施体制をつくること。運営メンバーが経験とノウハウを積むとともに、今後の運営に活かすこと。
さらには、この実験の企画・実施のプロセスそのものが、まちのソーシャルキャピタル醸成に大きな役割を果たしたこと、も加わります(⑧)。これは、路上会議2(クロージングトーク)をきいても実感できたことです。この社会実験前にはお互いに顔見知りでなかった、三条で働かれている5人の若手推進会議メンバーのみなさんが、社会実験実施の中心的役割を果たした、という事実がそれを物語っています。

また、今回は姉小路の「まちなかを歩く日」の取り組みと日を合わせて開催されました。三条通界隈のまちづくりを進めるだけでなく、いろんな地域と連携し、歩いて楽しいまち京都の実現ができれば面白いですね。それを交通とセットで考えたい。リアルタイムの情報発信が浸透すると、都市づくりはいろんな可能性が生まれます。

最後に、コンセプトの「三条通で遊んでみよし」。よくよく考えてみると、「遊び」は、まさに中世・近世来、京の町衆の社交ならびに文化創造の中心にありました。遊びは人を集め、縁を結ぶ。もちろん、まちづくりの核となる。遊びの本質は、自らがその遊びの中にいることです。参加した人がそれを肌で感じられたとしたら、社会実験の意義があったのではと思います。

(文・写真:三条通エリアマネジメント検討会議 副会長 山口敬太)

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