
支部長挨拶「関西都市計画の「平成」を振り返る」
神戸芸術工科大学 小浦久子 平成は都市計画課題の転換期だった。持続可能な開発 の考え方(昭和 62 年)は、環境と開発の共存を求め、この 30 年の間に生物多様性や気候変動など地球規模の計画課題となり、そこに起因する災害リスク等が新たな計画...

関西における平成期の国際輸送インフラ整備と運営
神戸大学 竹林幹雄はじめに 昭和の時代は成長の時代であった。特に戦後の復興経済 から高度経済成長、そしてそれらを支える全国総合開発計画 に象徴される需要追随型のインフラ整備1)は、正に(高度・ 安定)成長経済を背景にしたものであったといえる...

阪神 ・ 淡路大震災後の 「まちづくり」 の展開
龍谷大学 石原凌河はじめに 阪神・淡路大震災から24年が経過した。阪神・淡路大震災の都市復興に関わった行政・民間の技術者の多くも退職し、その経験の継承が多くの組織で課題となっている。日本都市計画学会関西支部に特別委員会「大規模災害からの都市...

まちづくり三法から立地適正化計画までの中心市街地再生を巡る動向
大阪大学 澤木昌典日本現代都市の死と生 新雅史著『商店街はなぜ滅びるのか』(平成24年・光文社新書)によれば、今日私たちの言う「商店街」は第1次世界大戦後に都市に零細小売商が急増したことが成立の発端である。「多くの人々が農業をやめて都市に出...

ニュータウンと住宅地開発の状況
関西学院大学 角野幸博 ニュータウン開発の平成も、他の都市計画事象と同様に、バブル景気の崩壊や阪神淡路大震災の影響、少子高齢化の進展などによって、成長から成熟へと軸足を移す転換点を迎えた時期であった。そこで以下の5つの視点から平成を振り返る...

都市公園における官・民・市民協働の進展
兵庫県立大学 赤澤宏樹共同・協同から協働の時代への転換 昭和時代の都市公園は、大〜中規模のものは府県や市町村の行政職員が外郭団体に出向しつつ、そこが管理業務を受注する直営方式をとっていた。中〜小規模のものは、公園ごとに地区の自治会や公園愛護...

平成時代の自転車交通と都市計画・まちづくり分野との連携の可能性
大阪市立大学 吉田長裕自転車交通が注目されるようになった背景 平成という時代は、交通分野において自転車交通が大きく見直された時代といってもいいのではないだろうか。環境や健康といった社会問題に対応するために、従来の自転車交通の位置づけを見直す...

都市の「余白」を取り戻すプレイスメイキングの潮流
(有)ハートビートプラン 園田聡はじめに 平成の30年を都市デザイン・都市計画の視点から見つめ直すと、大きなテーマの1つに「つくる時代」から「つかう時代」へのシフトチェンジがあったように思う。 戦災復興、オリンピック、万博、そしてバブルへと...

地域生態学への歩み
大阪府立大学 上甫木昭春 昭和47年に大阪府立大学に入学した後、ランドスケープの領域でずっと過ごし、今年3月が定年退職となる。この間の「都市と私」をこれまでの仕事をもとに振り返ってみる。 まず、大学卒業後の設計事務所では、公園や広場の設計、...

私の平成時代をふりかえってみた
アルパック 坂井信行 平成最後の関西支部だよりに貴重な執筆の機会をいただきました。私が社会人になったのが平成2年4月、“業界人”としてのキャリアも、ほぼ平成の幕開けとともに始まりました。そういうこともあって選んでいただいたのでしょうか。それ...

生野区桃谷に流れついて...
建築家・桃谷のコミュニティ再生・住み開き 伊藤千春 桃谷に住みはじめて6年。桃谷がどこにあるのかも、生野区だということも分からなかった。 そんな中始めたのが「momodani-project」。10年以上空き家だった1軒家を借りて、セルフリ...

人とつながり、まちを楽しむ
紀の川市地域おこし協力隊 新美真穂 私の暮らす和歌山県紀の川市は、フルーツのまち。一年を通して、さまざまなフルーツを収穫できることが自慢です。市内を歩けばそこかしこにフルーツ畑があり、桃の花が咲く桃源郷、真っ赤に染まる柿の葉、広がるイチジク...