2020年3月号

特集:「健康なまち」をつくる

 

支部長挨拶 「健康なまちをめざして」
_神戸芸術工科大学・小浦久子
阪神淡路大震災から25年が経った。大けがをした神戸のまちもようやく身体が動くようになりリハビリが進んだ。元気になってくると、つい無理をしてしまう。同時多発的に始まった都心の開発は、気がつくと体力を...

特集記事

健康なまちをつくる
_大阪医科大学・本庄かおり
本稿では、「健康なまちをつくる」をテーマに、都市計画と公衆衛生領域の協働の重要性を示した上で、これまでに示されている環境と健康の科学的エビデンスを基に健康なまちをつくるためのヒントについて考えてみたい。
Medicine-Based Town 医学を基礎とするまちづくり
_奈良県立医科大学・遊佐敏彦
わが国は、既に超高齢社会に突入しており、団塊の世代が 75歳以上の後期高齢者に達する2025年には、こうした問題がさらに加速すると懸念されている。厚生労働省では、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の...
エイジング・イン・プレイス―泉北ほっとけないネットワーク
_大阪市立大学・森一彦
団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けること「エイジング・イン・プレイス」ができるよう、住まい、 医療、介護、...
大都市圏スプロール市街地のスマートデクラインに向けたウォーカブルデザイン
_武庫川女子大学・加登遼
大都市圏スプロール市街地は、人口減少を許容しつつ、居住者の自立的な生活環境を維持するスマートデクライン(Smart Decline)を目指すべきではないだろうか。...
健康まちづくりプロジェクトに対する市民意識からみた健康都市形成に関する考察
_関西大学・秋山孝正
ここでは、現実の健康まちづくりプロジェクトと市民意識からみた健康都市の展開過程についての考察を行う。...
地に足の着いた地域包括ケアの展開
_生駒市・田中明美
本市は、2025年に向け、「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、規範的統合を進めている。中でも健康寿命の延伸を図るために必要な【介護予防事業】や【自立支援を促す地域ケア会議】に焦点を絞り、「健康なまち」づくりを進めている点を紹介する。
人をつなぎ地域をつくる農福連携をめざして
_(社福)さんさん山城・大河内雅司
定年を待たず、この4月にまちづくりコンサルタントから農福連携の現場に転職しました。「健康なまちづくり(都市計画)のあり方とは」、新人の視点で農福連携の現場から感じたことを報告します。...

連載コラム 都市と私

阪神・淡路大震災から25年―「傷ついた神戸をもとの姿にもどそう」―
_京都大学・牧紀男
『しあわせはこべるように』(作詞・作曲 臼井真一)という阪神・淡路大震災といえば、という歌があり、時々、授業や講演で資料として利用する。歌詞は続いていくのであるが、...
大阪の歴史を振り返る
_大阪府・近藤智拓
私が、建築の分野を志すことになったのは、中学時代(当時、兵庫県伊丹市に在住)に経験した阪神淡路大震災の影響がかなり大きい。自宅や家族に大きな被災はなかったものの、地面からの突き上げる衝撃で早朝に飛び起きた...
竹のデザインプロジェクトを通した地域活性
_京都大学 宮地茉莉
竹でバス停待合所をデザインするという活動を兵庫県丹波篠山市で始めて3 年になる。丹波篠山市では、昔は筍や竹小舞 等に使われていた竹が、輸入品や代替品や台頭したことで使い道がなくなり、放置竹林が増えている...
焼き芋から始まるコミュニケーションのススメ
_大日本コンサルタント・島瑞穂
私は建設コンサルタントとして、居心地のいい場所を作れたらと日々考えています。子供のころから公園や家の前の路地など、よく外で遊んでいた中で思い出すのは、近所の友達とおままごとをしていた記憶です。...

支部委員会報告

2019年度支部委員会報告
2019年4月6日(土)大阪府立中之島図書館レンタルスペース2において、総務委員会が開催された。報告内容はこちら

記事一覧

2020年3月号

支部長挨拶 「健康なまちをめざして」

神戸芸術工科大学・小浦久子 阪神淡路大震災から25年が経った。大けがをした神戸のまちもようやく身体が動くようになりリハビリが進んだ。元気になってくると、つい無理をしてしまう。同時多発的に始まった都心の開発は、気がつくと体力を消耗し疾病リスク...
2020年3月号

健康なまちをつくる

大阪医科大学・本庄かおりはじめに近年、都市計画においては、まちづくりに「健康」の視点を取り入れることが重要なテーマの一つとなっている。一方、公衆衛生領域においては、健康づくりにおける環境の整備が大きな関心を集めており、この分野における都市計...
2020年3月号

Medicine-Based Town 医学を基礎とするまちづくり

奈良県立医科大学・遊佐敏彦わが国をとりまく医療・介護・福祉に関する現状わが国は、既に超高齢社会に突入しており、団塊の世代が 75歳以上の後期高齢者に達する2025年には、こうした問題がさらに加速すると懸念されている。厚生労働省では、高齢者の...
2020年3月号

エイジング・イン・プレイス―泉北ほっとけないネットワーク

大阪市立大学・森一彦団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けること「エイジング・イン・プレイス」1)ができるよう、住まい、 医療、介護、生活支援・介護予防...
2020年3月号

大都市圏スプロール市街地のスマートデクラインに向けたウォーカブルデザイン

武庫川女子大学 加登遼■スマートデクラインに向けたウォーカビリティ評価 日本の都市計画は、人口減少期に入り、遷移点を迎えている。特に、日本における人口減少都市の大都市圏スプロール市街地は、急速な高齢化を伴う人口減少に対応する必要がある。そこ...
2020年3月号

健康まちづくりプロジェクトに対する市民意識からみた健康都市形成に関する考察

関西大学 秋山孝正■はじめに わが国は、1970年に「高齢化社会」(高齢化率7%)に突入した。その後、高齢化率は急激に上昇し、1994年に高齢社会(14%)、2007年に超高齢社会(21%)へ突入している1)。さらに2018年の高齢化率は、...
2020年3月号

地に足の着いた地域包括ケアの展開

生駒市 田中明美■はじめに 本市は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、規範的統合を進めている。特に令和3年度に、前期高齢者と後期高齢者の割合が逆転することや、2025年までの後期高齢者の伸...
2020年3月号

人をつなぎ地域をつくる農福連携をめざして

(社福)さんさん山城 大河内雅司■57歳の農福新人 定年を待たず、この4月にまちづくりコンサルタントから農福連携1)の現場に転職しました。農業従事者の平均年齢は66.8歳(平成30年)なので、畑では57歳の青年(更年期ですが)といったところ...
2020年3月号

阪神・淡路大震災から25年―「傷ついた神戸をもとの姿にもどそう」―

京都大学・牧紀男『しあわせはこべるように』(作詞・作曲 臼井真一)という阪神・淡路大震災といえば、という歌があり、時々、授業や講演で資料として利用する。「亡くなった方々のぶんも 毎日を大切に生きてゆこう。傷ついた神戸をもとの姿にもどそう。」...
2020年3月号

大阪の歴史を振り返る

大阪府・近藤智拓私が、建築の分野を志すことになったのは、中学時代(当時、兵庫県伊丹市に在住)に経験した阪神淡路大震災の影響がかなり大きい。自宅や家族に大きな被災はなかったものの、地面からの突き上げる衝撃で早朝に飛び起きたことや、変わり果てた...
2020年3月号

竹のデザインプロジェクトを通した地域活性

 京都大学 宮地茉莉 竹でバス停待合所をデザインするという活動を兵庫県丹波篠 山市で始めて 3 年になる。丹波篠山市では、昔は筍や竹小舞 等に使われていた竹が、輸入品や代替品や台頭したことで使 い道がなくなり、放置竹林が増えていることが課題...
2020年3月号

焼き芋から始まるコミュニケーションのススメ

大日本コンサルタント 島瑞穂 私は、建設コンサルタントとして都市計画マスタープランや立地適正化計画の策定など都市計画に関わる仕事をしています。その中で、公園の基本構想や基本計画の策定の仕事もあり、居心地のいい場所を作れたらと日々考えています...